かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

その銃声は誰が為に

周りから少し遅れてビルに着く。着いた場所は内部ではなく屋上。
お気に入りの赤いダウンベストが風になびく。


その背中にはアンチマテリアルライフルと呼ばれる銃。
正式名称…バレットM82A2。現在では用途が限られすぎたため生産中止された銃。
本来対空火器として改良された銃であるが、今回はそれとしては使わない。
大型のマズルブレーキを取り付け、銃口をビルに置き…


重く冷たい引き金を引く。躊躇いはない。特大の銃声、煙、反動。
反動に関しては用具で抑えられてはいるが、それでも体に余韻は残る。
体がしびれる感覚を感じながらビルを撃ち抜けたのを確認する。
ビルの何が撃ち抜けたか、内部で何が起こったかはここからでは確認ができない。


・・・一体何人が巻き添えになってしまったのだろうか。
幸運を祈りながら、ビルの内部に足を進める。
あと何度、銃声は鳴るのだろうか。