かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

【R18・BL】古馴染みと、二人で。(後半に性交描写あり。)

【後半に男性同士の性交描写あり。途中で攻め受け交代します。地雷の方は閲覧をお控えください。ご注意を。】

 

血を吸われてから数日経った火曜日。ロゼとの約束の日。夜に備えてちゃんと場所はとっていたけど、ティータイム中に連絡があった。仕事が終わったあと、血を渡す前に買い物に付き合ってほしいらしく、断る理由は無かったので引き受けた。

 

 

 

…それで。

「確かに引き受けたけどさあ…。」

「何。何か言いたいことあるの?」

「女性服選ぶなんて一言も聞いてないんだけど。お前は見た目が中性的だから自然だけどさ…。」

「だって言ってないし。そこはノータイムでOKしたズリエルが悪いよね。俺悪くない。それにしょうがないじゃん??服選んで買ってきてーなんて頼まれちゃったんだから。俺一人だとちょっと色々不安だし。…うん。よし。こんなもんか。ねー、この三つの中でどれがいいかなー。」

「そんなもん着る人見ないと意見出るもんも出ないだろ…。…真ん中の白いヤツ。それが一番ド安定じゃない。」

 「ふーん。じゃあ左の緑のヤツにしとこ。会計してくるねー。」

じゃあってなんだよ。じゃあって。文句を訴えようにも足早にレジへ行ってしまった。……前よりせっかちになってない?結構歳食ったからそう感じるだけなのかな。………やばい、なんかへこみそうだ。考えるのやめよ…。

 

ロゼが店から出てきても、まだ8時半。どっかでご飯でも食べたらちょうどいい時間帯になりそう。

「ここら辺に美味しいご飯食べれるとことかないの?お腹空いたんだけど、僕ここら辺あんまり知らないから…。」

「んーここら辺かあー。ちょっと歩けばいくらでもあったはずだけど。…よし行こう。今行こう今!ほら早く!ハリーハリーハリー!」

「うるっさ。夜になると急に元気になるよなほんと…。まあいいや。じゃあ早く行こう。時間は待ってくれないし。」

ごちゃごちゃ言ってるけど僕も夜になると少しワクワクする。なんか未知の世界が広がっていそうで。ていうか多分ロゼの影響もある。小っちゃいころから活発になりだすのは決まって夜だったから。まあ他にも好きな理由はいろいろ…。なんて考えながら歩いてるうちについてたみたいだ。

 

 

 

………

「ぼくのくちにはあわなかったよ。」

「なんでー!?生肉おいしいじゃーん!!!ズリエルなら食べれると思ったのに!!!」

「アホか。なんでそう思うんだよ。好んで食べるやつお前くらいしか知らないよ。生肉専門店とかあるの初めて知ったわ。他に美味しそうなとこいっぱいある中なんでここ選ぶんだよ。僕人間。ていうかまずこんなとこ連れてくる前に相談くらいしてよ。」

「まあそれはそうかも。あってか店の場所知ったよね。今度からなんか奢ってくれる時ここね。じゃあよろしく。」

「は?いやあり得ない。なんで僕が奢るんだ。」

なんてくだらない会話。結局ロゼだけ満足した。こいつと出かけると大体こうなってる気がする。

「はあーーー…。まあもういいよ。さっさと血渡す場所行こう。ホテル取ってるから。」

「おっ。ゴチになりまーす!…えっ待ってホテル?なんかやらしいこと考えてない?大丈夫?」

「ぶっ飛ばすぞ。人前嫌なんだろ。僕の家はもう同居人いるから無理だし。いいから早く行くよ。こっち。」

 

また少し歩いて、件のホテルの前。時間は10時前。

「なんか…大きくない…?綺麗だよここ…。」

「高いとこしか空いてなかっただけ。お前の実家よりかはしょぼいでしょ。チェックインしてくるからどっか座ってて。」

…結構混んでるな。でもロンドンはいつもそんなもんか。

そしてチェックインを終えて、部屋に向かう。

 

「そんなもんじゃない?高い所って言ったじゃん。さっさと終わらそう。」

「あ、うん。じゃあズボン脱いで。」

…??一瞬固まる僕。

「…は?いや…首じゃないの?何で?おかしくない?」

「いや~~~この前本で太ももの血が一番美味しいとか読んじゃったんだよね~~~血を吸う身としては試さずにいられないじゃん???」

「いや吸われる身にもなってほしいな?太ももって…それどこで読んだの。信憑性薄くない?」

「も~さっさと終わらそうって言ったのズリエルでしょ!あっわかった恥ずかしいのか。じゃあ俺お風呂入ってくるからそれまでに脱いでてよ。一回こういうとこのお風呂入ってみたかったんだよね~、それじゃあ!頼んだ!」

「えっおい」

速攻でお風呂に入ってった。また意見聞いてないぞあいつ。ああ…なんでだ…。……太もも…無理だろう。首であんなに感じるのに太ももとか本当に…。

 

 

……………なんか、ちょっと仕返ししたくなってきたな。いやおかしくないよな。結構今日やりたい放題だったもんなあいつ。…幸いコップと僕の杖代わりのティースプーンはある。じゃあやることは…一つだ。

 

「お風呂上がったよー。ちゃんと脱いだ?」

「脱ぐわけないだろ。早く首から吸え首から。…待って。そのバスローブはなに。」

 「クローゼットに置いてあったよ。着替え持ってきてなかったんだよね。テヘペロー。」

「いや…もうなんか…いいや…。血渡すの明日でいいか…?もう疲れた…。そこの机にジュース適当に何個か冷たいの出しといたから飲んで寝ればいいんじゃない…。ワインも出せるから出して欲しかったら言ってくれ…僕は寝る…。」

「えっもう寝るの??嘘でしょ夜はまだ始まったばっかりじゃん???いやてか待ってよ血は普通に欲しい。あとワインも欲しい。あっこのジュース美味しい何これブドウのやつ???ねえどこのメーカーのやつこれ。教えてよ~寝るなよ~ズリエル~ねえ~。」

「ちょ揺らすな…うっさ…うっさいよもう…。え…もう全部飲んだの…?お腹壊すぞお前…。えっ待って本当に全部ないんだけど。馬鹿?………はあ。分かったよ。僕座ってていいなら血やるよ。そこのソファでいいか。」

「おっマジで??やっぱ話がわかる~。いいいよいいよ座ってて。むしろそっちのが楽かもしれないし!でもやっぱ太もものやつも吸いたかったな~~。」

「吸わせるだけ感謝してほしいよ。太ももは他の人から貰ってね。それじゃあ早く、こっちにどうぞ。」

「ほいほい。失礼しま~す。じゃあ頂きます~…」

膝にまたがった。首に顔を近づけた。ここしかない。勢いよくロゼの手を掴む。

「…え。何。怖くなっちゃった?別にこの前みたいに痛くしないからさ。手離した方がいいよ。力抜かないと逆に痛いかもだし。」

「…まあそれ、吸えたらの話だよね。今日は吸わせるつもりないから。そこわかって欲しいな。」

喋りながらロゼの体を押し戻す。

「…は?何それ。ちょっと自分が何言ってるかわかってる?今って夜だよ?俺がちょっとその気になればズリエルから無理矢理吸うことくらい訳ないじゃん…!!」

「…本当に?やってみなよ。ほら。」

わざと手の力を緩めて挑発する。乗ってくるだろ。お前なら。

「…ナメてんの?そらっ…!!」

ソファに体をめり込ませんとばかりに肩を押してくる。が。

「………え?…え?なんで?…力入んないんですけど…。」

「そりゃそうだろうね。薬盛ったからね。まさか全部飲むとは思ってなかったよ。結構量あったから相当回りも早いだろうね。嬉しい誤算だったよ。」

指を絡ませ始める。

「なんで…こんなことすんの…?」

「いやあ。今日結構好き放題してたよね。ちょっとイラッときたから。仕返しみたいなもんだよ。僕がこんなことするのお前くらいだ。誇っていいよ。」

「はあ…?なにいってんのかわかんな…んっ!んむ…」

最早反抗もできない身体のロゼに顔を寄せて、キスをする。舌の先を絡ませて。尖った牙を一つずつ舐って。ロゼの緊張がほどけた所で口を離す。小さな細い糸がお互いの口の間に走る。膝の上をちらりと見ると、顔が紅潮して力の抜けたロゼの姿。まだまだ、僕の仕返しは終わらない。また、唇と唇を合わせて、舌を滑り込ませる。

「ん…あ…あ、ふ…。ん…んぅ…。」

ずっと。ずっと舌を舌でもてあそぶ。両手同士で絡ませた指を指で擦り合わせる。少しずつこっちにもたれかかってくる。力が本格的に抜けてきた証拠だ。手を解いて、ロゼの腰に回す。こっちの方が、ロゼとのキスはやりやすいから。

 

「ん…ん…んっ、ぁ、はぁ……はぁ……。」

腰に手を回したまま、口をまた離す。どれくらいねぶったかな。6回は確実にしたかな。

「…もう、終わり…?」

「まだに決まってるでしょ。ほら、後ろ向いて。」

「ん…。」

ほとんど抵抗がない。ちょっとくらい反応があった方が楽しいのに。そんなに強い薬ではなかったと思うんだけど。…反抗されるよりはずっとマシか。

ロゼはモデル体型で腰が高いから、僕の膝に座ったままでも僕がちょっと姿勢を良くすれば口と口が届く。片手は手を握りながら、もう片手でロゼのモノをまさぐる。

「…キスだけでこんなに硬くさせたんだ?」

耳元で囁く。首を横に振るロゼ。じゃあこれはなんなんだろうね。自問して、亀頭を弄りながら、また舌同士を絡ませる。段々とロゼの息遣いが荒くなっていくのが感じられて。風呂上がりの艶やかな桃色の長髪からシャンプーの匂いがして。潤んだその紫と水色の両眼が。僕の興奮を加速させた。

モノの先っぽを握ったり、さすったり。棒の筋を薄くなぞったりして徹底的に弄る。ロゼが果てようとする度にいじるの止めて寸止めする。また果てそうだ。これで、寸止めの回数が一回増える。接吻していた口と口を離す。

「はあっ……もう…いかせてよお…限界…だよ…。」

「…まあ。もう充分か。散々虐め続けて悪かったよ。」

なんて言いながら、先ばかりを弄り続けていた手を棒に添えて擦り始める。ロゼの首に舌をやって、ピアスの跡や筋をじわりじわりと舐め始める。ロゼの甘い声が若干聞こえ始めてきた。

「あっ、くっ、うぅぅ…、はぁっ、んんっ…!」

「はぁっ、もう…無理、ダメ、来るからっ…!…はぁぅっっ……!!」

果てた。精液が溢れ出てくる。ロゼの体に隠れていたはずの僕の顔にまでかかるほど勢いよく。ロゼは射精と同時に体を震わせて、腰が軽い痙攣を起こした。

「…元気だったね。それじゃあもう今日は終わり。また明日ね。おやすみ。」

そう言って手を離したはずなのに。握られたまま。正確には僕はもう握っていなかったけど、働いているのはきっとロゼの握力だけなのに腕は動かせなかった。

「…俺、夜はまだ始まったばかりって言ったよね。吸血鬼のハーフナメないでよね、夜行性ナメないでよね!」

ソファに押し倒される。え?え?え?困惑と焦りが止まらない。凄い力で押さえつけられる。もう逃げ出しようがない。なんで薬の効果時間がこんなに短いんだ。焦燥で答えは見つけられない。いやそんなことより。今の問題は。

「…もう我慢出来ないから。無理矢理でもするよ。夜明けまで終わらないと思っていいよ。覚悟して。」

果てたばかりでまだ動悸が治まっていないのか、息を切らしながら言う。気づけば僕も息遣いが整然としなくなっていて。…なんだ。僕もまだロゼに興奮出来たんだな。あんなに僕は嫌がっていたはずなのに。その場になってしまえば受け入れてしまうんだ。この冷めやらぬ昂りを。犯されてしまうという情欲を。

しばらく沈黙を保った後、嬉しさと悔やみが混ざった笑顔で言う。

「…好きにしてよ。今だけでも…僕はロゼのものだから…。」

放ってしまう。本心を。いつからか決して出すまいとしたこの欲望を。君を突き放すためだけにしていたあたりの強さも、全て泡沫に帰る。本当に、意志の弱い中途半端なやつ。

「…そう。…じゃあ遠慮なく。」

「あ、待って。せめてベッドでしてよ。固いとこは嫌だ…。」

「…ん。」

持ち上げられ、ベッドに乱暴に投げられる。直後にロゼが覆いかぶさってくる。髪の毛が垂れて、またいい匂いがした。…ロゼから身体自体を求めてくるのは、いつぶりかな…

そして、いきなり怒張した陰茎を穴にあてがってきた。

「あっ…!くっ…そんないきなり…!入るわけないだろ…!」

「無理にでもするって確かに言った。もう責められる側なんだから、敵うと思わないで…!」

穴がこじ開けられていく。痛みで悶えそうだ。歯を食いしばり、ベッドのシーツをひっかいて耐える。

 「かっ、はっ、はっ、くぅぅ…!!いた、いたい…!!」

穴に入ってくる感触がする。みちみちと、硬いものが侵入してくる。

「頑張れば…はあっ…、入るじゃん…?」

「お前…っ、他人事だと思って…っ!」

「そん…なのっ…お互い様でしょ…?」

一回奥まで入り切り、勢いよく引き抜かれる。亀頭の出っ張っているところが良い所に擦って、思わず声が出そうになった。手を口に当てて抑えようとするけど、ロゼがそれをさせてくれない。声を出せとでも言いたげに腕を手で押さえられ、腰を振られる。ロゼの不敵な笑みが、今はただただ妖艶に見えた。

「はっ、はっ、ううっ、はぁっ…!あぁっ…!!」

声が抑えられない。痛みも今では心地良いものになってしまって。感じるのが止められない。ロゼが不意に顔を近づけてくる。キスじゃない。やめろ。そんなことされたら本当におかしく…!

勢いよく首を噛まれる。痛みが血とともに湧き出る。そしてその痛みはすぐに快楽に頭で変換される。余りにも唐突な快楽の濁流に、体をよじり、震わせてしまった。

「あっ、はあぁぁっっ…!!くぅぅぅっ…!!!」

果ててしまった。溜息が出る。痙攣が起こる。頭はもう、働かなくて。僕が確かに果てたのを確認してもロゼは腰を振るのを止めない。

「あっ、くっ、ま、まって…いってる、いってるからぁ…!とめ、て…!」

ひたすらにピストンを続けられて。しばらくしてまた果てた。そこからはもう、意識がうつろいでいて。体位を変えてバックで突かれたり、口づけされながら突かれたり。喘いでは果てて。こんなに激しい求められ方は初めてで。されるがままになっていった。

 

 

 

………目を覚ますと、ベッドの中で。ロゼが隣で寝ていた。外はもう明るくて、時計を見れば指していたのは10時15分。仕事は完全に遅刻だ。

「あ、いって…!」

身体を少し起こそうとすると腰に痛みが走る。激しく突かれ過ぎた。…寝るまでは…どうしてたんだっけ…ひたすら果てたのは覚えてる。ロゼが何回も出したのも。ロゼが満足して、そっからどうしたっけ。…お風呂に入ったんだっけ…。汗を流したいからってロゼが入って…僕も入ったけど、立てなくなって…それで…一緒のベッドで寝ちゃったのか。…ロゼ、気持ちよさそうに寝てるな。ふわふわの前髪を指で優しくかき分ける。相変わらず、綺麗な顔をしている。

…君は覚えてるのかな。小さい頃、僕が君の屋敷に忍び込んで遊んだこと。…でも別に、遊んだことが特別とか、そんなんじゃないんだ。むしろほんの些細な、なんでもない出来事。屋敷で、ステンドグラスをバックに立ったロゼが。その眼の輝きが。ただただ綺麗だったんだ。呼吸も瞬きも言葉も何もかも忘れるくらい、綺麗で。思わず綺麗…だなんて言ってしまって、空気が凍ったっけ。…今はこの頃の素直な僕が、少し羨ましい。心からの本音を言えるのは、凄いことだ。

 …なんて、変なことを考えた。とりあえず今は、寝ておきたい。この限りのあるだろう時間を、精いっぱい。起きて帰ったら、どんな言い訳をしようかななんて考えながら、眠りについていく。おやすみ、ロゼ。いい夢を。

 

 

 

春宮さんのロゼール・レッドフォード君をお借りしました。

何か問題があればDMまで。よろしくお願いします。

ありがとうございました。