茂みの裏の隠し事。
【ノリで書いてます。不都合あれば無視してもらって構いません。】
華米高校。入学式から数日。
夕陽が影を伴って現れる、午後五時前。橙色に、廊下が染め上げられていた。
放課後に何となしに好みの顔をした子に声を掛けては、身体を交わらせて。相手が音を上げてしまったから、渋々二回程度で終わらせてしまった。そそくさと乱れた身なりを直して、逃げるように帰って行ってしまう彼の背中を見て、少しだけやるせなくなってしまった。きっと慣れてなかったんだな。声が上ずっていたし、何より顔が引き攣っていたし。俺は気持ちよかったから良かったけど、あの子はどうだったかな。
思案に一人浸りながらズボンのベルトをきつく締めて、軽くシャツをはたいて、緋色が窓から差して、影の伸び出した教室を後にして。物好きの残る校舎の廊下を歩いて階段を降りて、不完全燃焼に悶々としながら下駄箱で靴を入れ替える。
…外にあんまり人がいない気がする。まだ部活とか始まってないのかな。…部活、どうしよっかなあ。部活紹介とかやってくんないかな。ああ~~~物足んないなあ~~…。
不機嫌気味に鞄をぶらぶら前に後ろに振り回しながら、駐輪場へ向かう。比較的近い方らしくて、楽。そのうち学校探検でもしようかな。一人で行くのは寂しいから誰か誘おうか…。寂しいことにその誰かの顔はまだ浮かばない。指で自転車の鍵を弄りまわして、歩く途中。何かが視界の端で動いた気がして、目を凝らす。
…隅の、茂みの裏。暗い深い緑の奥に、白い何かがチラチラと葉の隙間から覗いていて。…興味が湧いてしまったので。近寄ってみた。勿論、音を立てずに。
近寄っていくほどに、それが何かは明確になっていく。多分、人。後ろ姿だけが見えた。遠くからでもわかるほど、綺麗な白髪をしていた。…それと、何かの音と、匂いがした。液体が地面に叩きつけられるような音と、かすかな刺激臭。そして気付けば、茂みを挟んで、きっと小さな声でも届く距離にいた。
「…ねえ?」
「はッ!!?えっ!?」
勢い良く顔だけを振り返らせて、驚愕の表情を見せる名前も知らない彼。目を開かせて顔を赤らめてはいるものの、一目見れば端正な顔つきをしていることがわかって。…ああ、好みの顔。可愛らしい、大きな浅葱色の瞳。色白の頬がほのかに紅潮しているのがなお愛らしい。
「な、あっ、なんで……」
「何でってそりゃ見えるからに決まってんじゃん。目立ってたよ?…で、何してんの?」
茂みを越えて、また近づく。彼の背中越しに音の元とその様子を見ようとしてみれば。…それはまあ、意外で。
「……え、立ちションしてんの?」
「……〜〜〜〜ッ!!」
黄金色の液体が股間から綺麗な弧を描いて出されていた。実際に見られ、言葉で言われて改めてその羞恥心は大きくなっていったようで。
「トイレすぐそこにあるし…………。…いや、あー。そういうことか。へー。」
「…っ、ちょっと、誰かは知りませんけど、何一人で勝手に納得して…」
「お、何?俺の考えてることわかる?でもきっと違わないでしょ。ソレが証明してるじゃん。」
そう言って見つめ、人差し指で指す先には、既に液体を出し終え、先から勢いの無くなった雫を垂らす怒張したソレの姿。
「…何ですか。…脅しでもする気、ですか。」
「ええ…。そんな事するような見た目してるかなあ…。…んな事しないよ。でも、たださあ…。」
ゆっくりと、彼の背中に体を這わせていく。震える彼の身体を後ろから覆うようにして、手を彼のソレに伸ばす。逃げられないように左手同士を絡めて、右手でソレを柔く握る。そして顎を彼の右肩に乗せて、耳でそっと囁く。
「………ここで、こんな大胆なコトしてたら、こういうコトされても、文句言えないよって、教えてあげたくて。」
不敵な笑みで、耳に息を撫でるように吹きかける。
「は、ッあ………。」
力なく、息が漏れた。それを見てまた少し笑って、体を離す。
「……なんて、ね。あんまりこういうのはしないんだ。ドキドキした?」
「………っ、一体、何がしたいんですか……!」
抑え気味に、怒りの表情を見せる彼。眉間に浅い皺が寄っていた。
「ん〜〜〜………別に………。……あ、そうだ。」
「はぁ………?」
「……これ、俺の電話番号。」
「は、は………?」
ボケットから出された四つ折りの紙を差し出され、困惑する彼。
「あー、…えーっと、名前何?ここに居るってことは1年でしょ、多分。」
「…そうですけど。2組の、日向伊吹、です。」
「伊吹、伊吹、ね…。俺は朝生雪穂……3組ね。……んで、ね。…もし伊吹が、おしっこ。見られたくなったら……。俺を呼んでもいいよ、って事。あ、別に他のことでもいいけど?セックスとかね。」
おしっこ、という言葉を聞いて身を強ばらせる彼に愉悦を感じながら、軽い口調で喋り言葉を重ねる。
「……ま、そういうこと。別に呼ばなくてもいいし、何なら着拒してもいいよ。俺は電話番号知らないけどね。」
そう言って彼の手を取り強引に手渡し、体を180°回転させ、顔の半分だけ覗かせて左手をひらひらとかざす。
「ちょ、ちょっと……!」
「それじゃあね、またいつか。お互い良い学校生活を………。」
スタスタと歩き去っていく。わざと歩幅を広くとった。言葉を遮った。
…さて、どうなるのかな。楽しみだ。それにしても本当に可愛い顔をしていた。それも俺好みの。イク時とかどんな顔をするのかな。とても、とても興奮する。さっきの彼の吐息とか、特に。ちんこ少し勃っちゃったな。……ふふ。本当………いい所だ。この、華米高校ってとこは。最高に昂る。
…ああ。明日はどんな子と、ヤれるかな?
佐川アルさん宅の日向伊吹くんをお借りしました。
ありがとうございました。