かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

【R18】気に入った獲物は

【BL、性的描写あり。ご注意を。】

 

取り留めのない話を繰り返す。

歯応えのない日々を彷徨う。

ひたすらに欲に身を任せ始めたのは、いつからだったか。幼い頃に抱いた夢は何だっただろうか。思いを馳せた人は誰だっただろうか。何を頭に刻み付け体に染み込ませただろうか。あの憧憬は返ってくるだろうか。

 

 

瞑られることのない蛇の目は、今もただ淡々と、獲物を見定め続け。赤と金の眼の中に映る、見据える、その先は。

何処かの薄暗い部屋の中で、ベッドの上で。身を捩り悶える一匹の猫と、それを楽しむもう一匹の蛇。藻掻く手の首を掴み抑え、脚を絡め覆い被さり。冷えていた体は既に火照り、熱を帯びた吐息が交わり始める頃。

「普段の生意気な面は何処へやら…随分とだらしない顔をするようになったな?」

挑発するように、誘うように。蛇は口の端を吊り上げて、目尻に涙を溜めて嬌声を漏らす猫の顔を覗く。

とても、とてもそそる顔。顔を顰めて、僅かに目を細めて。抵抗の意思をチラつかせるその表情と裏腹に、凌辱を受け入れ始めた身体。先の言葉を受けて若干腕に力が入ったが、それもすぐ抜けた。抵抗の二文字は、快楽の前に塵と消える。

両手を塞いだまま、首筋に唇をあてがう。軽く吸い音を立てては赤く染めて、痕を刻んでいく。自分のモノであると示すように、手元を離れないように。余すこと無く手にしたいという征服心の表れか、それとも消えて欲しくないという恐怖心のものか。斑点の増える度、荒くなる吐息が愉快で。熱い息を舌に纏わせ斑点を這わしていくその首の肉感が程よく。湿りを含んでいく肌が艶めいていた。

汗ばんでいく首元で遊ぶ一方で、掴み拘束することばかりの両手両足を解き、ようやくと言うように片手で布をはだく。片膝を彼の両足の間に割り入れ、空いた片手で股を開かせる。そこまで作業を終わらせて、舐り尽くした首から口を離し、身体を起こす。目元まで隠れるような前髪を垂らし、満足げな歪んだ笑みを顔に貼り付けて、すっかり紅潮した猫を見下ろす。肩はほのかに火照り、上着肌着を捲りあげられ、体液の滲む筋張ったへそ周りを撫で回す。円を描くように人差し指でなぞった後、その指は腰の下へ赴く。股の盛り上がった部分を躱し、股の間を潜り、指先はやがて臀部へ辿り着く。布の上から穴の入口をつついては、びくりと跳ねる身体の反応を楽しみながら。離れても耳に届くようになった吐息の喧騒を心地よく感じながら。

「…前戯はいるか?待ちきれないか?」

「ハ、ァ…ッ、僕のは、弄ってくれないん、だ?」

視線の交じる中で、なおも主張の激しくなるその怒張したモノを意識させるように言う。

「悪いがお前のを弄るのは俺のするコトじゃない。他に漬け込んだ奴にでも頼めばいい。…さて。」

いつの間にやら放り出していた硬く熱くそ反り勃ったその熱を。

「前戯は要らないだろ?挿れるぞ。」

温度のない言葉と共に、布の隙間から巧みに紛れさせ、ヒクついた穴と接吻させ、躊躇いなく滾ったモノと腰を押し込む。

「、ァ、ア゛ッ、―――――――ッッ!!」

声にならない声が喉から押し出され、思わず腰が浮く。ベッドのシーツをシワの浮き上がるほど強く引き締める。腰が震え、口が塞がらず。

「…久方ぶりだったか?まあ、知らんが。」

奥まで腰を押し込み、甘美な感触に背筋を震わせる。浮かんだ腰を両手でひしと掴み、入れたモノをその先の端の引っ掛かりの所までをゆっくりと、ずるりと引き抜く。一瞬の時間は、悦楽の余韻のせいか何十倍と長く感じて。

「あ、っん、た…!いきなりは痛いっ、て…!」

甘い嬌声交じりの声をよそに、また手で掴むそれを引き寄せ、腰を臀部に打ち付け良い音を鳴らす。上ずった声が聞こえた気がしたが、きっと雑音だ。耳を通り抜けて消える。離しては突き、離しては突き。少しずつ角度を変えてはまた愉しむ。引っ掛かりを擦るよう上へ突き上げたり、奥へ進むよう並行に腰を叩きつけたり。叩いては蕩ける音を奏でる楽器が壊れるまで、自らが満足するまで。さながら玩具の一つのように。

楽器が震えその足を痙攣させても止めなかった。許しを請われてもまだ止めなかった。腕で身体の振動を抑えられてもその腕を掴み伏せ倒しまだ続けた。自らが果てて中を白濁で埋めつくしてもまだ続けた。様々に体位を変え弄んだ。四つん這いにさせ、背中越しに腕を掴み頭を掴み、奥まで打ち付けた。うつ伏せにさせ、寝たまま股を開かせ自分の足で閉じる事を許さず、逃げられないよう、快感と運動を逃がさせぬように組み伏せ密着し不乱に熱を込めた。何度も何度も果てさせ、声を響かせ。また幾度となく絶頂した。

 

 

 

お前が何処で何をしようと、そんな物は知った事ではない。どうでもいい。ただ俺のモノであればいい。逃げられると思うな。逃げようと思うな。俺の手から離れられると思うな。

いつか必ず、必ず。

丸呑みにしてやるから。

 

 

 

 

 

 

にいもさん宅の耀祥くんをお借りしました。

ありがとうございました。