かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

【R18】快と辱、えも言われず。

【R18描写があります。】

 

 

 

 

早く終われ。早く終われ。早く終われ。はやく、はやく、はやく。

未知の感覚に襲われて、身体を震わせて。自分の上に跨った女狐を睨みつけながら、されるがままの自分を悔いて、屈辱を味わう。

窓から入る雨音で、必死に気を紛らわそうとしていた。

 

「…っは、あ……っ、う、あっ、ッ…!」

 

声を抑えることで、精一杯で。打ち付けられる臀部から湧き上がり、押し寄せてくる悦楽は理性を奪おうとする。ほんの少し緩めれば、今にでも決壊してしまいそうで。数多の波が寄せて引いては、亀裂をじわりじわりと拡げていく。抑えた欲と情が溢れるその瞬間がもう遠くない事を、何となく、身体で感じていた。

肌と肌がぶつかる音に、艶めかしい水音が混じる。じめりとした空気で湿り気を含んだ身体と身体がぴたりとすい付き合う。蜜のように絡まる液体と、甘い匂いが鼻腔を突き刺して、脳を麻痺させて。行為の始まりに覚えていた危機感は煙のように霞んでいって。弾み、火照る身体と見下ろされるその視線に、また震える。怯えや嫌悪とは違う、震え。快感に身をよじらせ、細かく刻まれるその震え。どうしようもなく抗い難く、心も身体も全て掬い取られていくような。

訳の分からないままに動かされ、僅かに保っていた理性も朦朧としつつある中を見透かすように。満足したのか、または疲れたのか、動きを止めた女狐が身体を覆うように寄せて、顔を近づけて耳打ちをし出す。細く長い色白の指が胸部をなぞっては、胴を撫でる。また豊満な乳房が胴に押し付けられ、柔らかく冷たい感触がして。互いの温度が溶け合う感覚にまたぞくりと背筋が震える。

「ふぅ……。…中々どうして、いいモノじゃろ?初めてを奪われる感覚と、交わりの感覚……それと、絶頂……。」

「…ッ、は、ぁ、ふざけ、やがって……!」

「む、何だ。まだそんな口を叩ける余裕があったか……。意外と、しぶとい……な…?」

「ッ……!」

ひんやりとした指で、火照った乳首を弄られる。指先で押し潰したり、ぴんぴんとはねたり。そんな事くらいで声の上ずる自分にまた、恥じらいを覚えて。行き場のなくなった感情が手に現れて、自分の掌で額を押し付けるようにして、顔を隠す。

「…のう。」

指を止めずに、囁きを続ける。

「……母など、もうよいじゃろう?このまま、ここに居れば良い……。」

「……!!」

激昴に身を任せ、女狐を払い除ける。が、手応えは無く。暗い部屋の宙にふわりと舞う姿が見えた。

「もう一度そんな事言ってみろ……!殺してやる……!!」

「おお、おお。母の事となるとお主は本当に……。ふふ。まあ……良いか……。」

口を袖で隠し、いつもの様に目尻が垂れ、嗤う。忌々しい笑顔を見せては、見下ろしてくる。

「……今宵は楽しませてもろうたわ。それではの。……ああ、それと、後始末は確りと、な?」

「糞野郎…!」

馬鹿にしたように笑い、霞のように消えていく。

ただやるせなく、拳を握ることしかできなかった。

快楽の余韻が、身体の火照りが。ずっとずっと、収まらなかった。

 

降り続ける雨の音を他所に、壁に項垂れて。未だに勃ち続ける、愛液と自らの精液になまめかしく彩られ、照る自分のソレを、暫く、放心のままに、眺め続けていた。

 

 

 

煮芋さん宅の守御羽さんをお借りしました。

ありがとうございました。