かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

星の降る夜。

冷たい空気が肌に刺さる頃。真夜中の、ブリテンのどこか。 「星って、キレーなんだな。」 手を繋いで、後ろを忙しなく着いてくる少女。夜空を見て、足を止めて感想を漏らした。 「ああ……そうだな。星は綺麗だ。何時もそこで輝いている。少し憎らしいくらいだ…

祈りを込めて。

「ふぁ………。」 大英博物館地下。数々の研究成果や過程の詰まった書類。それらが納められた棚に囲まれて、あくびをひとつ。 いくら呪いを解くためと言っても、参考文献がこんなとこで見つかるのか不安になってきている自分がいる訳で。財団に来たのは失敗だっ…

【R18/BL】脈打って。

「はぁッ、はっ、ん、ふ、ふっ、ふふ……あっ…、」 乱暴に揺さぶられる身体。淫靡なため息とともに上擦った声が漏れる。自分に覆い被さって、快楽に溺れる彼を見て、不思議と笑みが浮かぶ。始まる前こそ勃たないなどと渋っていたのに。いざ始まってみればこれ…

真夜中の授業。

日付の変わりそうな時刻。大英博物館地下。BC財団研究施設。 普段人の多い休憩室……もとい度々お茶会のたまり場と化す食堂も、この時間となっては廊下の方で足音が一時間に数回、ポツポツとするだけ。 そんな中で好みの飲料を片手に、読書に耽ける夜行性の吸…

朝が来なければいいのに。

永遠に、夜でいい。夜が終われば朝が始まる。朝が始まれば、時間は進んで。あらゆる事が、進み出す。 万物は時の流れに逆らえない。生まれ、存在し、やがて瓦解し消え行く。そこに例外はない。余程神秘の、理の外に置かれた存在でもない限り。 ……そして愛す…