かきごおりのお庭。

企画の小説とか書いていきます.

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

もう一度、あの夢を。

【パラレル成分が多めです。読んでいただける際にはご注意を。】 貌国、某所、ナイトリー家…だったはずの場所。その地に、彼女の幼馴染だった二人は来ていた。 確かに見覚えのある家。見覚えのある部屋。今はただの、抜け殻でしかない。 「…埃だらけだな…。…

やがて来る日。

【※未来ifです】 遠い、遠い未来のこと。 体を動かす事が辛く感じる。関節の節々は痛み、咳込みの頻度は明らかに増えた。何も考えられず、ぼーっとしている時間も増えた。僕が出来なくなったことは、今では彼がやってくれているが。嬉しさと同時に、申し訳な…

それから、眠って。

【それから、それから。】の続きとなります。 「…おはよ。」 「はい、おそよう。もうお昼だよ。よく寝たね。」 昼の、1時。丁度だ。大時計台の鐘が鳴る音が聴こえる。 「ご飯は?食べるなら用意するけど。」 「んん………いらない…。あったかい飲み物欲しい…。…

それから、それから。

【帰って、それから。】の続きとなります。 気づけば夜。家のダイニングテーブルで夕食を食べ終えて。 「ご馳走様でした。」 「お粗末さまでした。」 「思ってたより結構美味しかった。」 「思ってたよりって何だよ。…天照の料理美味しかったからね。エリち…

帰って、それから。

記憶が戻った、あとの事。未来if。 「………ズリエルの家って、こんな殺風景だっけ?」 「ああ…。エドマンド君とか、出てっちゃったからね。彼らの私物は彼らが持ってって、それでこの有様。意外と僕のものって少ないんだなって思ったよ。」 本棚の余ったスペー…

この日が訪れることを祈って。

【時系列は来天前です。】 ある夏の日。僕とロゼは夏季休暇をとって、ロゼの屋敷のある土地に帰っていた。魔法の国、ハイランドの北部。山脈が並び聳え立つ、誰も来ないような田舎。周りに立つ山脈や空の青さと、一面の畑や点々と生える木の緑の対比が凄く綺…

永久に続け。

3ヵ月。………実に3ヵ月。長く、それでいて短かった。 …そのあっという間の3ヵ月でさえ。彼の記憶を戻すことは叶わない。…戻る訳、ないけどね。僕がきっかけで起きた記憶障害を。僕がきっかけにならなければどうやって治すのか。あれば是非とも聞きたいとこ…

また、いつか。

タワーの崩れた後。まだ、やりたいことはあって。あの、例のクソお喋り野郎。…なんて、もう言えないな。あんなもの見せられてしまっては。僕はあんたの事、どうもまだ何も知らなかったらしい。まさか飲みたいものを聞いてミロが返ってくるとか、そういう事で…

たった一つの繋がり。

倒れ行く西京タワー。いくら巻き添えとはいえ、色とりどりに輝く魔法や確実に殺意を込めた体術を受けて、ましてやそれも財団の本気を受けて、耐えられるものなんかこの世に存在しないだろう。僕自身は後方にいて、飛んでくる瓦礫から支援勢を守ったり、隙あ…